前話ではセミオーダースーツには「パターンオーダー」と「イージーオーダー」に分かれることを解説しました。
今回は「パターンオーダースーツ」についてメリット・デメリットを踏まえ解説したいと思います。
パターンオーダースーツ
パターンオーダースーツは予め決められた型に合わせ自動裁断し縫製します。調整できる箇所はプログラムによって変わりますが主に「袖丈」「着丈」「半胴(胴回り」が調整可能であることが多いです。(図.1)
・メリット
納期が早く、インターネット販売が可能であるため近年急速に広まっています。大手アパレルの多くが採用しています。スラックスも股下を指定のみであることが多く、接客時間短縮を図れるという店舗側の理由も普及している理由として挙げられます。
・デメリット
怒肩・撫肩、前肩など体型補正を加えることはできません。
パソコン業務の多い若い世代でパターンオーダーを作ったけど合わないぁと感じる方は大体肩まわりが合っていないことが多いです。
また、着丈を短くした際、フロントボタンの位置が変わらないため全体のバランスが悪くなります。
・まとめ
パターンオーダーは体型補正やクセ取りなど熟練された技術が不要であるため職人が育ちやすく、大手アパレルだと中国、または発展途上の国で向上展開が可能です。また、採寸に関しても測る箇所が少なく採寸者の技術はあまり必要ないため、チェーン展開しやすく近年大手の参入が目立ちます。
パターンオーダーは安く商品を提供されることが多いので、予算重視のお客様にはメリットかもしれません。
ただ、イメージした仕上がりになるようしっかり確認して注文する必要があります。※既製品のようなパターン販売なので商品によってはパンツの「わたり・ひざ幅・裾幅」の指定ができないケースもあり結局お直し・・となってしまうこともあるので要確認です。
今回、パターンオーダーについて解説致しました。如何だったでしょうか?
私も業界が長いため見ただけでパターンオーダーかイージーオーダーか解ってしまう悲しい職業病・・・
余談ですが、世の中にはパターンオーダーに仮縫い工程を挟み「フルオーダー」だと言うお店様もあるとか・・・怖い世の中です・・
ということで次回は「イージーオーダースーツ」について解説したいと思います。